一般に、ペットセラピーは、心理療法家が飼っている犬などをセラピールームにいれたり、特定の犬を施設に連れて行ったりすることが主な方法です。

 

しかし、日本ペットカウンセラー協会の「ペット」とはカウンセリングの時だけ一緒にいる動物ではなく、クライエントが飼っているペット(伴侶動物)のことを指します。

その動物を使ってカウンセリングしたり、クライエントが自分の生きる力を引き出したりするサポートを行います。

 

たとえば、動物介在療法を受けた障害のある人がペットにちょっとしたことを手伝ってもらうようトレーニングすることからペットの変わる様子を励みに自分の中に自立に向かう力があることを発見したり、引きこもりの青年が自宅のペットの問題行動矯正を取り組むことで自分の生き方を再構築するきっかけになったり、その効果は大きなものがあります。

このような在宅飼育型動物を心理療法に介在させる研究と実践は当協会が日本初です。

 

このような研究・実践を目指す当協会に諸先生から以下の一言をいただきました。

 

日本ペットカウンセラー協会の研究と活動に一言述べさせていただきます。

犬の訓練の仕方を教え、社会で生きる力を作っていく、つまり、社会で生きていく行動の仕方を学習させるには、行動分析のシェイピング技法が有効です。

私も引きこもりが続いていて少しも外出しない中学生に犬を飼って犬の世話をする仕事の一環として毎日犬の散歩をさせることで外出させることに成功しました。

また、動物介在療法として認知行動療法、中でも行動分析原理と技法が活用できると思います。在宅飼育型動物介在療法のこれからの展開を期待しています。

日本ペットカウンセラー協会 初代会長 広島大学名誉教授 故 河合 伊六

 

動物介在療法のカウンセラー育成のため、日本ペットカウンセラー協会が設立されたことと今後の発展が楽しみです。家族システムに問題がある→ペットを導入する→もしペットに問題行動が生じた場合それが家族システムの問題を反映している場合が多い→ペットの問題行動の除去の過程が家族システムの問題の解決になりうる、という方向について大変感心しました。

神戸大学教授 宇津木 成介

 

不登校の子どもが家族には心を開かないが自宅のペットには心を開き話しかけているという事例を担当したことがあります。動物学を学び、その心理的介在方法を心理カウンセラーが使うことはとても興味があります。

追手門学院大学教授 三川 俊樹

 

アメリカでは、ドロップアウトした青少年の社会復帰のために動物を介在させたプログラムが少年院で使われています。

心理を学ぶ人、現在それを仕事に生かしている人は各療法にプラスして、動物介在療法を学ぶことが仕事のレパートリーの広がりにつながるでしょう。